彩の国シェイクスピア・シリーズ
「ジョン王」
大阪:梅田芸術劇場シアタードラマシティ
2023年2月3日~12日
(以下、ネタばれあります!閲覧にはご注意ください!)
「ジョン王」大阪公演、初日を観劇してきました✨
いよいよ始まりました大阪公演!
東京公演から愛知公演ときて、待ってました大阪公演です。
東京から一部のキャストが変更となっての上演ですね。
初見は、その場で感じる感動や衝撃を大切にしたいので、東京公演の配信はあえて観ませんでした。
東京公演の吉原光夫さん演じるジョン王もみてみたいとは思ったのですが、やはり先に観てしまうのは違うなと思い諦めました。
機会があれば、ぜひとも、全日程を終了後に再配信していただけると有難いのですがw
ということで、大阪公演初日を観劇してきました!
2月3日(金) 17:30~
なんとまさかの最前列でした!!!
2列下手通路横だったのですが、行ってみると1列目が無くなってました( ゚Д゚)
そして、座席にはビニールシートが置いてあり💦
え、水が飛んでくる? まさかの濡れ??
ま、結果的には、私の席には水は飛んできませんでしたが、バシャバシャと飛ばす動作があったので、飛んでくる可能性はあるかもしれません(笑)
―ストーリー
イングランド王ジョン(吉田鋼太郎)の下へ、先王リチャード1世の私生児だと名乗る口の達者な男が現れる。ジョンの母エリナー皇太后はその私生児・フィリップ・ザ・バスタード(小栗 旬)を親族と認め従えることを決める。
そこへフランス王フィリップ2世(櫻井章喜)からの使者がやってくる。ジョンは、正当な王位継承者である幼きアーサーに代わってイングランド王となっていたが、「王位をアーサーに譲り、領地を引き渡すよう」に要求しにきたのだ。それを拒んだジョン王は、私生児を従えてフランスと戦うために挙兵する。
まんまと王族の仲間入りをした私生児は、権力者たちの愚かなふるまいを鼻で笑いながらも、戦争へと巻き込まれていく。
アーサーの存在が疎ましいジョン王は、腹心の臣下であるヒューバートに、恐ろしく非情な命を下す。この決断が、ジョン王と私生児の運命を大きく狂わせるのだった。
権力者の思惑に振り回され、世界は混迷を極めていく―――
―主な登場人物
フィリップ・ザ・バスタード(小栗 旬):ジョン王の兄、リチャード獅子心王の私生児。
ジョン王(吉田鋼太郎):イングランド王。中身がなく、残忍で優柔不断な男。
皇太后エリナー(中村京蔵):亡きヘンリー2世の妃で、ジョン王の母。
コンスタンス夫人(玉置玲央):幼きアーサーの母。アーサーを王にするため、フランスを頼る。
ルイ皇太子(白石隼也):フランス王の息子。冷静な野心家。
ヒューバート(高橋 努):ジョン王の腹心。ジョン王の命でアーサーに同行する。
ブランシェ(植本純米):ジョン王の姪で、スペインの王女。ルイ皇太子と結婚する。
フィリップ2世(櫻井章喜):フランス王。正当な王位継承者アーサーを支持し、ジョン王と戦う。
引用:ホリプロステージ公式サイトより https://horipro-stage.jp/stage/kingjohn2022/
正直なところ、ジョン王って知らなかったんです。
あまりメジャーな作品ではないし、劇作ではない本当の史実の方でもよく知らなかったんです💦
今回の上演にあたり、コロナ禍で一度中止になっているので正確には2年前ですが、ちょっとあらすじを調べてみた程度の知識での観劇です。
ですので、上演中は一言一句逃さないぞ!!ってくらいの意気込みで、ものすごく集中して観劇していました。
脳内フル回転していたと思いますw
視線も集中してあちこちしっかり目に焼き付けw
気持ちはめちゃくちゃ前のめりでした。ですが背中はしっかりシートにつけてます(笑)
集中しすぎて、めちゃくちゃ疲れます(笑)
シェイクスピア作品は、相関図も複雑なうえに、心情をくみ取るのも難しくていつも観劇中は頭が疲れます💦
でも、それがまた面白い。
観た後に、ああかなこうかな・・・いや、こう思っていたのかな?などと思考を巡らせられるのもいい。むずかしいんだけどね(笑)
で、戯曲も読んでみてさらに悩む(笑)
そして、また別の演出家の同じ作品を見てみたくなる・・・というループ、いや沼にはまっていくのです・・・(笑)
今の私たちに突き刺さる作品だった
冒頭とエンディングは、インタビューで「サプライズ」と仰っていた戯曲には無い新しい演出が追加されていました。
コロナ禍でしばらくは使われていなかった客席通路も使用されています。
冒頭、さぁ始まる!という予感もない頃に、さりげなく、のそっと通路から現れてステージへ上がる人物が・・・
手にはスマホ、顔にはマスク、舞台上に転がるブツ・・・
あれ?時代背景が違う?
などと、戸惑いながらも演劇に入り込んでいきました。
中止になった「ジョン王」には無かった演出だろう部分。
今の時代だからこそ、人々の心に強く残るだろう「戦争」や「反戦」の気持ち。
劇中ではイングランドとフランスの「戦い」ばかり。
何年経っても人間は学習しないのだな。愚かな行いを繰り返す。
だからこそ、今の、2023年ならではの演出だったのだ、と感じた。
なにやら、簡単に通り過ぎては行けないような、観たことを反芻しなくちゃいけないと思ってしまうような、すごいもの観ちゃったよ!と。
思ってた以上に、凄かった。
落ちてくるたくさんの死体の中で繰り広げられる世界は、過去も現在も、もしかしたら未来も変わらないのかもしれない。と思わされた。
役者陣は本当に素晴らしかった!
小栗旬君は久しぶりの舞台でしたが、彼の立ち姿や佇まいが本当に華やかで美しい。
群衆が演じる中、背中を向けて群衆の中を動いているだけなのに、その存在感たるや!
最前だったこともあり、その目力と鬼気迫る演技は流石だなと。
ルイ皇太子の白石隼也君は、あまりにも顔ちっちゃくてびっくりしました(笑)
いや、でも、本当にちっちゃくてw
爽やかだけど、けっこう強かだよね君、っていう皇太子がとてもよかったですね。
そしてそして、幼き王位継承者アーサー役の佐藤凌君。
彼、めちゃくちゃいいですよ!
アーサーは純粋で汚れていない清らかな心の持ち主なんだろうなぁ、と思うような演技でした。
まだ11歳くらい? 今後ますます楽しみな役者さんに成長してほしいです。
今作はオールメール(すべての出演者が男性)ですが、その中での女性陣3名がとてつもないキャラクターでした(笑)
いや、笑ってはいけない。
中でもコンスタンス! 彼女は凄いです( ゚Д゚)
気性の激しいキャラクターが、見た目のインパクトもあって強烈な印象を与える。
いや、凄い。終盤のコンスタンスが脳裏に焼き付いて離れない。ちょっとコワイ💦
今回は3回観劇します。
次回までに、パンフレットを読み込み、史実を少しチェックし、劇作も読んでおきたいところ。
また、この脳内フル回転の作品に会えるかと思うと、今からわくわくします。